土は焼くと固まるということを焚火の最中に発見しました。 それが陶芸の始まりで、現在は、より長持ちするやきもの、より美しいやきものを求めて焼成技術は少しずつ向上しています。現代の陶芸制作の流れをご紹介します。
陶器(やきもの)はどうやって作られるの?
〜陶芸制作の流れ
1.作るものを決める
2.粘土を選ぶ
3.粘土を練る
4.成形する
・電動ろくろ
・手びねり
・紐づくり
・タタラづくり
・玉づくり
5.乾燥させる
6.仕上げ
・高台削り
・装飾を施す(彫りや化粧掛け)
・サインを入れる
7.乾燥させる
8.素焼き(800度)
9.釉薬掛け・絵付け
・ヤスリで削る(下処理)
・スポンジで水拭き(下処理)
・撥水剤を塗る(下処理)
10.本焼き(1240度)
11.窯をさます(約2日)
12.窯出し
13.完成
陶器(食器)を作る工程①〜⑤
①粘土を選ぶ
まずは粘土を選びます。陶器(食器)を作るための粘土は、種類が豊富で、全国各地で生産されています。
”良い焼きものは、良い粘土から”と言われるほど重要な工程です。
粘土には、成形しやすいものや鉄分の多く含んだもの、粒子の粗いもの、粘り気のあるものなど様々な種類があり、焼き味も様々です。陶芸で使用する粘土は、鉄分の違いにより色が違ってきます。鉄分を多く含んだ粘土が赤土で色も赤っぽいのが特徴です。
釉薬との相性や、組み合わせによって様々な表情が生まれるため、自分の好みを見つけるのも楽しみの一つです。
②粘土を練る(荒練り・菊練り)
作り方としてはまず、粘土の中に入り込んだ空気を押し出す作業から始めます。
小さな空気でも残っていれば、焼いたときに膨張して爆発する怖れがあるからです。その作業を菊練り(きくねり)と呼び、少しずつ空気を押し出していくと形が菊の花のような見た目になります。菊練りは高い技術が求められるためか、昔から、菊練り三年と言われるほどです。
③成形
土を練った後に自由に形を整えていきながらそのまま陶器の作成へと移ることができます。
その「作り方」は、主に「電動ろくろ」と「手びねり」の2つの成形方法に分かれています。「手回しロクロ」での成形、または、電動ロクロでの成形のどちらかで行います。作りたい陶器の種類や難易度、作り手の技術力の違いによって適した「成型方法」が違うので、それぞれの特徴やコツを事前に押さえて「成型方法」を選ぶことが必要となります。そして形が出来上がったら、1週間程度風通しの良いところで乾燥させます。
④素焼き〜釉薬掛け・絵付け
陶器には絵付けをすることが多いですが、その前にまずは素焼きという工程を挟みます。乾燥させただけだと、粘土が水分によって溶け出してしまうからです。素焼きをすると形が完全に固定されるので、全体を色を付けるための釉薬に浸しても大丈夫です。釉薬は、長石や珪石、植物などの灰、石灰、色をつけるための少量の金属を調合して作ります。 成分によって透明になったり、青、黒、黄色などの色がでたり、表面の手触りも変わっていきます。釉薬は基本的に焼かれることで色が出るため、仕上がりは窯から出してからのお楽しみということになります。
⑤本焼き
最後に行う本焼きは、1240度を超える温度で、おおよそ13時間以上かけて行います。焼成後は2日程度かけてゆっくりと冷まし、窯の温度が完全に下がるのを待ってから取り出して完成です。
窯から出した作品は、釉薬が化学反応を起こし、表面がガラス化して光沢のある見た目になっています。
⑤窯出し・完成
窯をゆっくり2日ほど冷ましてから窯出しします。窯から出た陶器は化学反応を起こし、表面の釉薬がガラス状に変化しています。完成した作品は食器として使用することができます。
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